(第三部より)

ハフヤ: あと何があったかなあ。


(沈黙)
ハフヤ: ...藤が丘とかね。
イテカワ: ああああーーー。
サイトワ: ああああーーー。
イテカワ: あれやっぱ強力な思い出ですか。
サイトワ: 強力っつうか忘れたい。
ハフヤ: 惨劇だったもんほんとに。「惨」という字があんなに似合うことないもん。
サイトワ: 今考えてもひどいですよね。まず誘い方がひどい。焼き肉食えるっていう。肉食わしてくれよ。
ハフヤ: 肉食わしてやる、でしょ? 結局だってしかも、払ったしね。ほんと。
サイトワ: 肉は食えねえ金は払わされる、最悪だったね。ほんとひどかった。
イテカワ: 最初だってカワさんとハフヤさんとてったさんはいなかったわけですから、僕とシミグイさんしかいなかったんですよ。
サイトワ: そう、サシでしょ?
イテカワ: よく行ったなあと思いますよ。
ハフヤ: それ聞いて、ちょっとかわいそうだなと思って。
イテカワ: なんも考えてなかったんですよ。ノフキさんバイトで一日中エアコンそうじして、疲れた体でそれやろうとしたんですよね。
ハフヤ: 遠いしさあ。
サイトワ: あれですね、僕ら始めてネタやろうって決めた伝次郎のネタ出しでハフヤさんち集まって、「出ねえじゃん」みたいなこと言ってて、そんでその流れで行ったんだ。
サトン: はーん。
サイトワ: なんか、ダメな予兆は出てたんだな。ダメっぽいなーと、今日一日ダメだろうなーと。
ハフヤ: まあでも肉食えるし!でも行ったところが。
イテカワ: 飲まされ払わされ。
ハフヤ: 払ったよなー俺5000円以上払った記憶あるもん。
サトン: うっそー。
ハフヤ: たぶん総額でけっこういってる。
イテカワ: ひどかった。とにかく。
ハフヤ: 割るグラスあんじゃん。あれにさー、こんくらいまで(半分ほど)韓国焼酎「美男」を入れられてさあ、チョロッと青リンゴジュースをたらされて。飲めと。飲めねえんだよ飲めるわけねえんだ。こんくらい飲むんだけどさ、すーごいんだよ。
イテカワ: とりあえずアサヒのラベルまでとか。
サトン: うわーー。
サイトワ:ああーー。
ハフヤ: で僕が飲んだらさ、てっちゃんとかコネカワとかに「はい上級生が飲んでんのにそれ以上...」とかいってさ飲ましてさ、そんで今度は僕に「下級生が飲んでんだから...」とか理不尽な続き方。
イテカワ: そんでシミグイさん突然ガッと飲んで「俺が飲めるんだからお前らも飲めるよな」とか言い出して。そんなことやってたらカワさんが行方不明になっちゃって。
ハフヤ: 俺ねーあん時ほど焼酎を原液で飲んだことはないね。ほんとひどかった。
サイトワ: 俺はわりと飲んでなかったんだよな。
イテカワ: 僕はもうお三方が来る前に...
サイトワ: お三方!
(爆笑)
イテカワ: いや、もう、生大を飲んでたんですよ、すでに。
ハフヤ: あーでも、うちらも最初から生中じゃなくて生大だったよ。
サイトワ: 大二杯くらい飲んでから焼酎。
ハフヤ: そんで焼酎まるまる2本飲んだんだよね。そりゃ吐くよ!
イテカワ: 冷静に考えればねえ。
ハフヤ: コネカワの介抱してる時に俺が植え込みに吐いたもん。
イテカワ: 最初大丈夫だったんだけどスロープに横になったらとたんに酔いが回ってきた。
ハフヤ: あれだめだよ。あの病院の。
イテカワ: 病院の目の前でみんな横になってましたよね。
ハフヤ: 中入れてくれよって感じだったよ。あん時の写真があるじゃん。死んでるよね顔、ほんとに。
イテカワ: 落ち武者みたいでしたよね。ひげはやしてた。
ハフヤ: 顔もすーごい青ざめてるしね。
サイトワ: そんで俺だけ元気で写真とりまくってたんだよ。
イテカワ: シミグイさんはどっか行っちゃうし。
ハフヤ: あれだよ、俺がコネカワとか介抱してる間、シミグイさんずーっと女に電話してんの。
サイトワ: んで女に電話しながら、緊急病院の薬品庫みたいなとこに入っていっちゃって。
イテカワ: 2時間くらいその場を動けませんでしたよね。8時には終わってたのに、そこを出たのは10時過ぎてた。
サイトワ: ぜんぜん連絡がつかないんだよみんな。
イテカワ: てんでばらばら。
ハフヤ: 電車に乗ったはいいけど、イッテーは前のところだから駅からけっこう遠いじゃん。一人で帰すわけにもいかないし、ごめんちょっとうちまで来てくれと。そのまま連れてって。
イテカワ: 連れてってもらって。
ハフヤ: そんで、駅降りて歩いてるところで日付変わってぼく誕生日ですよ。
(爆笑)
イテカワ: ろくでもねえ誕生日でしたよね。
ハフヤ: イッテーがおめでとうございますとか言って。
イテカワ: なにがおめでとうだって感じですけどね。
ハフヤ: これは思い出さないほうがいいな。正直、4年間で一番つらい記憶だね。肉体的にも。
イテカワ: まじすか。じゃあ俺の4年間の中でもあれはけっこう強い思い出として残るんだろうか。
ハフヤ: だって酒を飲むということにおいて、あれよりひどいのってまだないでしょ。
イテカワ: ないです。あんなに飲んだことないです。しかも飲み方もひどいじゃないですか。
サトン: 楽しくないっすね。
ハフヤ コネカワとかいまだに美男見るとふるえるぜ。いっつも言うってあいつ。「これあれですよ!」って。
サトン: じゃあ今度の夏合宿は...
サイトワ: いや、やめてくれ。よくない、あれは。
オウガ: これ書いていいんですか?
ハフヤ: これ? いいよ。あの、裏のほうに。
サイトワ: さりげなく予告入れとこうぜ。「詳しくは裏サワラビにて」みたいな。そうしたらみんな見るかもしれない。
ハフヤ: まあそんな大変なこともあり。
サトン: いい思い出はなんかないんですか?
イテカワ: 腹かかえて笑っちったよみたいなの。
ハフヤ: 別にないね。
イテカワ: あら。
ハフヤ: いやだってほら、他人がネタやってるときはさ、研究する目で見てるからさ。
イテカワ: ああ、自分に足りないものは何かと。
ハフヤ: そうそう。半ねたましく、半分析的に。
イテカワ: じゃあもうこの人とか、分析の対象だ。
ハフヤ: この路線はできないなあと。
サイトワ: お互いそうじゃないですか。
ハフヤ: これはすごいなあっていう。
イテカワ: てったさんに対して。
サイトワ: こんなアホなことやってらんねえよってことでしょ。
ハフヤ: そう、アンケートで「アノ会で楽しかったこと」ってのが書けなくて、無理矢理「日々の練習」と。
(爆笑)
ハフヤ: まあこれからも書道を続けていくとはひとことも言いませんけどもね。筆もサトンにあげちゃうし。
サトン: もらっちゃうし。
イテカワ: じゃあハフヤさんの命はサトンの筆の中に生きているんですね。
ハフヤ: それはやめよう。
サトン: ショボい作品になっちゃうから。
ハフヤ: うん。
イテカワ: おい、すげえなあ。
サトン: んあ?
ハフヤ: いやいや、お互い違う意味で言ってるから。
サトン: 僕は自分がヘタだから、この人は俺がヘタだから。
サイトワ: なるほどね。
イテカワ: さすがだ。呼吸がとれてる。
ハフヤ: まあそういうわけで、別にないってことで。
オウガ: じゃあ、心残りとかは?
イテカワ: そうだ、聞きたい。
ハフヤ: 心残りねえ。なんだろう。ていうかなに、ここで僕は実際問題さあ、何を求められてんの?
オウガ: 普通に。なんか「あ〜」ってのを。
ハフヤ: おもしろ方面なの?
サイトワ: おもしろ方面て。なんか「こんなのあったなー」ってのを言ってみればいいんじゃないんですか?
ハフヤ: 今ので? 心残りで?
サイトワ: あ、心残り? なんでしょうねえ。
オウガ: ちょっといい話すればいいんじゃないんですか。
ハフヤ: ちょっといい話か。そっち方面だと... じゃあ、何パターンか言っとくから、好きなのとって。
(爆笑)
サイトワ: 活字におこしてよさそうなやつを。
オウガ: あーい。
ハフヤ: まあ一番心残りなのは、次回作「一寸法師」ができないこと。
サイトワ: はいワンパターンめー。
(爆笑)
サイトワ: 次もまた「一番心残りなのは...」で。
ハフヤ: まあ一番心残りなのは...
サイトワ: ほんとに言ってるし。
ハフヤ: なんだろ、まともバージョン。そうだな、なんかもっとでかい作品を書いてみたかったってのもあるね。
サトン: 全紙とか?
ハフヤ: いやいや、全紙は書いたことあるんで。(レコーダに向かって)ちゃんと全紙とかも書いたことありますよー。
サイトワ: あはは。
ハフヤ: てかぼく、一番最初が全紙ですから。
サトン: なるほど。じゃあ3パターンめ...
ハフヤ: (小さい声で)ちょ、ちょっと待って...
イテカワ: 演芸会系とか。
ハフヤ: うーん。心残りねえ... これはマジっていうかほんとなんだけど、あのーノゾユを2回も女装させておきながら賞を取らせてあげられなかったことをすごい反省してるんだよね。
一同: あー。
ハフヤ: ていうか、みんなそのへん考えて2回目はあげようよ! ていうのは思った。
イテカワ: 何かを失いながら女装してるわけですからね。
ハフヤ: そうそうそう。
サトンはもらってんのに。
サトン: 女装したときもらってないよ。
サイトワ: 2回も女装してたっけ?
サトン: 前はおととしの春合宿です。でもそのときはカッコだけだった。今回は化粧もプラスされちゃったんです。
サイトワ: あーそれで2回なんだ。
イテカワ: でもノゾユは1年の合宿どっちもですもんね。
ハフヤ: いや、ぼくはサトンくんがくれると思ったもん。春は。
サトン: そこまで頭が回らなかったんですよー。
ハフヤ: ていうかさー賞品余ったらさー片づけでさーシカモトとふたりまとめてくれちゃえばよかったんだよー。
サトン: あー。
ハフヤ: あそこは絶対オカマふたりに賞あげて、んで中身はなんだっていったらあの交換日記のノートだよ!
(爆笑)
ハフヤ: おまえ、そこは決まりだろ!
サトン: いやいや、そんな不正みたいな行為はなかなかさせてくれないですよ、あの二人は。
ハフヤ: でもそこはさあ、あるじゃん。
イテカワ: 部長!
サトン: ないない、権力ない。
サイトワ: ハフヤさん、そこまで計算して女装させてたのか。
ハフヤ: いやそうじゃないけど、やっぱり最終的に。
イテカワ: ほんと、女装損ですよね。
サイトワ: 女装損!
ハフヤ: はい、ごめんなさい。ぼくは反省してます、そこは。ほんとに。結局さあ、あーこのへんカットね。裏は載せてもいいけど。一年生とかさあ、もらえるメンツが決まっちゃうからさあ。ヌダとかアリヤワとか。
サトン: あー。
ハフヤ: だからこそ演芸会でノゾユとかが女装したときにこそ賞をあげたいよね。
サイトワ: キノアリにものまねさせたら賞くれたよ。
ハフヤ: あれはきたない!
(爆笑)
イテカワ: あれやらせたの、てったさんですか?
サイトワ: うん。ものまねしてよって。
イテカワ: 誰が発掘したんですか?
サイトワ: いやとりあえずさあ、オチがないからキノアリものまねできない?って聞いたらできるらしいから、やってよって言って。やってもらった。キノアリにものまねって意外でしょ?
ハフヤ: きたないなーと思ったけどね。
サイトワ: なんできたないんですか。とれるじゃん。
ハフヤ: あれ見ながらコネカワと「...きたねえ。てったくんきたねえ」と。
(爆笑)
サイトワ: そんなん、自分らだって化粧させてるじゃないですか。
ハフヤ: 化粧は正当派じゃーん。なんかもう努力のカケラもないようなさあ。
サイトワ: いいじゃないですか、それこそ投資しなくて。ノーリスクハイリターンで。ゲッチュゲッチュですよ。
ハフヤ: ひでえなあ。あんな気分悪くしてたくせに。
サイトワ: なにが?僕?気分悪くしてました?
ハフヤ: やる前。
サイトワ: あー。たしかに気分悪くしてた。
ハフヤ: それがもう笑い取れればいいっていう。
サイトワ: だーってさあ、タヤノがさあ、超文句ばっかいうんだもん。
イテカワ: そうなんですか?
サイトワ: ひどかったよー。 (レコーダに向かって)ひどかったよー。
イテカワ: なんか、自分の配役に文句言ってたんですか?
サイトワ: うーんとりあえず途中寝てたしねえ。まあ寝ててくれたおかげで逆に進んだんだけどさ。
ハフヤ: そう、寝てたって話聞いて、そりゃ別にいいじゃんって思った。
サイトワ: 起きてからがまた大変だった。うるさかった。
イテカワ: そんなことがあったんですね。
ハフヤ: うーん、あと心残り...
オウガ: 僕、ハフヤさんと演芸会の班組めなかったのはちょっと心残りですよ。
サイトワ: おー。
ハフヤ: いいこと言うねえ。こういうの言えよみんな!そうだよみんなが心残りを...
サトン: 僕組めたんだもん。
イテカワ: 僕も組めたんだもん。
サイトワ: あ、俺もだ。
ハフヤ: なんだ、俺は演芸会で組めたら終わりの男か!用事はそれだけか!
(爆笑)
ハフヤ: どうかと思うね。まあやり残したのはこのくらいでいいとして。まともなやつにしといてくれ。
オウガ: へーい。

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